愛犬が可愛くなるだけじゃない！トリミングのメリットとは

人間も美容院などにいって定期的に髪の毛の長さを調整し、見た目を整えますが、犬の場合それを「トリミング」といいます。ただ単に毛を短くしているだけでなく、しっかりとしたメリットや目的があるということはあまり知られていないのではないでしょうか。今回はそんな愛犬をトリミングするメリットについてご紹介いたします。

1.トリミングとは

トリミングというのは、「毛を刈り揃える」または「不要な部分を切り取る」ことです。犬はそのままにしておくと毛がどんどん伸びていき、毛だらけになってしまいます。そうなると見た目もあまりよろしくありませんし、犬自身にとっても季節や気温によっては暑くてどうしようもないので、人間同様定期的に毛を必要な部分だけ残してカットする必要があるということです。

現在日本だけでもペットを飼っているご家庭は数多いです。そのため、トリミングをしなければならない数も急激に増加しており、それに伴ってトリミングをメインとするサロンも数多く存在しているのをご存知でしょうか？

トリミングサロンでは、トリマーと呼ばれる専門の方が常駐しています。人間の美容院と同じ感覚で、犬種等によって自由にトリミングを行ってもらうことができるのです。また近年ではトリミングのスキルや美しさを競うコンテストが実施されており、単純に毛をカットすると言うだけではなく、トリミングという技術が広く浸透していると言えるでしょう。

2.トリミングのメリット

2-1.①美しさと清潔さを保つ

いくつかあるトリミングのメリットですが、一つは「美しさや清潔さを保つ」ということです。まずは見た目です。ただ毛をカットするだけでも問題はありませんが、見た目を重視することによって愛犬の可愛らしさがグッと増します。飼い主の方がトリミングに求める大きな理由の一つでもあるのではないでしょうか。たとえ同じ犬種だったとしても、サロンやトリマーによって仕上がりやデザインは多岐にわたります。お気に入りのスタイルを見つけるまで色々試してみるのもいいかもしれません。

トリミングは美しさと同時に清潔さを保つことも出来ます。トリミングの本来の目的というのはこの部分になります。犬は全身を毛で覆われているため、普段の生活の中で尿道や肛門付近が特に不衛生になってしまいます。それは尿道や肛門付近の毛に糞や尿がつきやすいため、ついてしまった場合にそのままでいることで雑菌などが繁殖する温床になってしまうというわけです。

肛門腺絞りをする場合や、もしも下痢をした場合などであっても、トリミングをしっかりとしておくことでお風呂に入れてきれいにしなければならない頻度が減りますので、清潔さだけでなく飼い主の方の負担軽減にもつながるのです。

2-1.トリミングのメリット②様々な問題を防ぐ

トリミングには見た目や清潔さだけでなく、様々な問題を防ぐ効果もあります。

一つはケガ防止です。例えば足の裏には肉球という汗をかき、衝撃を吸収する役割のある部位がありますが、トリミングせずにケガ伸びてしまった場合、肉球が本来の役割を果たすことができなくなってしまいます。まるでモップをつけているかのように毛が肉球を覆ってしまうことで、衝撃の吸収力も下がり、フローリングなどで滑りやすくなるため怪我につながってしまいます。また、目の周りなどに関しても視野を狭めてしまうことで目ヤニなどがこびりつきやすくなり、最悪の場合、目の病気になってしまうことも考えられるのです。

さらに、ノミやダニなどの害虫を防ぐ効果もあります。ノミやダニは身体が非常に小さいのですが、毛で覆われていると存在していても気が付きにくく、絶好の隠れ家になってしまいかねません。基本的には動物病院で処方される予防薬で駆除できますが、トリミングすることでそもそも付きにくくするための防止策となります。

夏などの暑い時期には熱中症予防にも繋がります。毛で覆われているため犬は常にダウンジャケットを着ているような状態です。そのような状態で夏の暑い時期を過ごすとなると、どれほど大変なことか容易に想像できるのではないでしょうか。熱中症対策としてサマーカットというカットがあります。このカットは毛の中に空気が循環しやすくなるため、体温がこもりません。ただし、毛があることで皮膚を守るなどの役割を果たせているという部分もありますので、カットの際には単純に短くするのではなく、ちょうどいいバランスを見極めましょう。

3.トリミングの注意点

トリミングをする際ですが、サロンに預けてトリマーの方に行っていただくというのが一般的ではあるものの、飼い主の方がセルフカットするケースも少なくありません。いずれにしても、愛犬がカットの最中はおとなしくしていなければならないので、暴れないようにあらかじめ慣れさせておくなどの工夫が必要です。これは性格次第ともいわれ難しい部分ではありますが、カットの最中に動いてしまったり暴れてしまったりすると、最悪の場合ケガをしてしまいます。その結果さらにペットに恐怖の感情を植え付けてしまうことになるため、安心してカットできるようにできるだけリラックスできるようにしましょう。

トリミングは見た目が可愛らしくなるため飼い主の方にとっては嬉しいことですが、本来の目的は愛犬のための行為であることを忘れないようにしなければなりません。見た目だけにこだわり、本来のメリットを損なってしまうことがないようにしましょう。