愛犬のバスタイムは、楽しく触れ合える貴重な時間だという方も多いのではないでしょうか。そんなバスタイムに必要不可欠なアイテムのひとつがシャンプーです。シャンプーには薬用シャンプーや殺菌シャンプーなどがあり、商品によってその特性は異なります。今回は、数あるシャンプーの中から愛犬に適した商品の選び方をご紹介します。この記事を参考に、次回お求めの際は是非パッケージをよく確認してみてください。
1.選ぶ際に注意が必要なシャンプー
1-1.人間用シャンプーの共用は注意
愛犬のシャンプー選びの際にまず気にかけておくべきことは、犬の皮膚は人間よりも弱いということです。犬の皮膚の厚みは人間の1/3ほどしかありません。したがって、人間用のシャンプーは洗浄力が高いため、愛犬と共用するには刺激が強すぎます。また、香りの面からみても、人間用のシャンプーは愛犬にとってはきつすぎます。もし人間用のシャンプーを愛犬と共有したいなら、皮膚トラブルにつながらないよう、香りや成分、界面活性剤の種類をよく確認することが必要です。
1-2.犬専用シャンプーでもパッケージを要確認
また、犬用シャンプーであっても「無添加シャンプー」を謳う商品には注意が必要です。「無添加」は大変聞こえが良い言葉ですが、何が無添加なのかに注意しなければいけません。香料や防腐剤といった避けたい成分がある場合には、それが添加されているか否かよくパッケージを確認しましょう。
2.愛犬の毛のベタつきや乾燥に悩んでいる方には
愛犬がもし皮膚トラブルを抱えているのなら、皮膚を清潔に保つことが必要です。いつもより念入りに汚れを落とすためにも、シャンプーも常用しているものではなく、薬用や殺菌といった特徴を持つシャンプーに切り替えることをお薦めします。特に洋犬の場合は体の作りが日本の気候に適しておらず、トラブルをおこしがちです。皮膚の状態をよく観察し、その時の状態に適したシャンプーを使い分けてあげましょう。
2-1.抗脂漏性シャンプーと角質溶解性シャンプー
薬用シャンプーとして有用な「抗脂漏性シャンプー」と「角質溶解性シャンプー」をご紹介します。
愛犬の毛がベタついている場合には、「抗脂漏性シャンプー」がお薦めです。一般的な主成分は、サリチル酸や乳酸エチルなどが挙げられます。毛のべたつきは皮膚から過剰に皮脂が出ていることに由来していますが、乾性と油性に分かれます。乾性の場合は保湿力が重要です。セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分配合のものが適しています。一方の油性の場合は、シャンプーに加えて犬用クレンジングオイルを使うことで、過剰な皮脂を除きます。
皮膚が乾燥してフケが気になる場合には、「角質溶解性シャンプー」がお薦めです。一般的な主成分はサリチル酸です。角質溶解性シャンプーは、角質層を柔らかくすることにより、皮膚を正常な状態に整える手助けをしてくれます。
3.愛犬の細菌性皮膚トラブルに悩んでいる方には
3-1.殺菌シャンプー
細菌性の病気を殺菌・予防したいなら、「殺菌シャンプー」がお薦めです。皮脂や皮膚・被毛の洗浄そして殺菌消臭をすることで、皮膚の炎症を引き起こす原因菌の働きを抑えることができます。ただ、殺菌シャンプーの中には洗浄力と刺激が強すぎるものもあるため、犬の状態をよく確認して使用することが大切です。主成分として、ピロクトンオラミンや酢酸クロルヘキシジンが挙げられますが、より強力なものとして過酸化ベンゾイルという成分もあります。また、商品によってはコンディショナー成分を配合しているものもあり、帯電防止と適度なツヤで良い仕上がりが望めます。
3-2.抗菌性シャンプーと抗真菌性シャンプー
細菌が原因の皮膚トラブルには「抗菌性シャンプー」と「抗真菌性シャンプー」が効果を発揮します。「抗菌性シャンプー」は細菌に効き、主成分としてクロルヘキシジンやピロクトンオラミンが挙げられます。一方の「抗真菌性シャンプー」は真菌に効果があります。真菌とは、酵母やカビを指します。「抗真菌性シャンプー」は主成分としてミコナゾールやクロルヘキシジン、ポピドンヨードが挙げられます。
4.洗浄力と優しさのバランスは、界面活性剤に注目
4-1.アミノ酸系の界面活性剤
汚れを落とす役割をする成分を、界面活性剤と言います。犬に適したシャンプー選びには、この界面活性剤に注目すると良いでしょう。犬の皮膚や毛も、人間と同じく弱酸性です。アミノ酸系の界面活性剤を使ったシャンプーは弱酸性なので、比較的皮膚への影響が少なく、保湿力も十分です。ただし、シャンプー時に傾いたph値は一時的なものですぐに戻るため、それほど弱酸性に固執する必要はありません。アミノ酸系の界面活性剤は優しい洗いあがりゆえに、洗浄力が物足りないと感じる場合もあります。皮脂や汚れが気になる方は、アミノ酸系や弱酸性にこだわらず、適切なシャンプーを選んであげましょう。
4-2.石油系の界面活性剤
既に皮膚トラブルがある愛犬には、石油系の界面活性剤を使ったシャンプーはできる限り避けるのが好ましいです。石油系の界面活性剤は価格が安く泡立ちが良いですが、皮膚トラブルがある子にとっては洗浄力が強すぎます。石油系の界面活性剤には主に、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムという成分なので、シャンプーにこれらが含まれていないか確認しましょう。とはいえ、シャンプーは一般に数種類の界面活性剤を使って作られています。皮膚トラブルを抱えている場合にてシャンプー剤の見極めが難しい場合には、獣医師に判断を仰ぎましょう。
5.まとめ
愛犬の肌の調子を整えるためには、その子に合ったシャンプー選びが重要です。皮膚が弱い子、汗をかきやすい子、細菌性の炎症を起こしやすい子など、愛犬の肌の傾向を普段からよく観察することで、適したシャンプーが見えてきます。もし最適なシャンプー剤を選びかねる場合には、獣医師へ相談すると良いでしょう。愛犬が気持ちよく快適に毎日を過ごせるように、シャンプー選びにも気を配ってあげましょう。
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